目的に応じた日経225チャートの使い分けを!
売り上げと同時に代金をもらうことができる業種は、個人向けの小売店・サービス産業だけだと思ったほうがいい。
これは「現金商売」と呼ばれる業種で、他の多くの業種からはうらやましがられている商売である。
なぜなら、すぐにお金が入ってくるということは、「相手がクレームをつけてきて、なかなか代金を払ってくれない」「代金をもらう前に相手が倒産してしまった」といったリスクを負わなくても済むからである。
そごうやダイエーといった小売業が潰れたときも、すぐに買収に手を上げる会社が出てきたのは、「現金商売だから、なんとかなりそうだ」という要素が大きい。
小売業は資金ショートの危険性の少ない業種なのである。
喜ばれる家賃の支払い方このように、経営者は、「資金はショートしないだろうか?」「早く代金を回収できないだろうか?」ということに日々頭を悩ませている。
余談だが、私はむかし、会計士の先輩からこの経営者の習性を逆手に取った「家賃の支払い方」を教わった。
それは、大家さんに家賃を毎月1カ月分だけ支払うのではなく、2カ月分、3カ月分まとめて一気に支払うという方法である。
たったそれだけのことか、と思われるかもしれないが、このことだけで大家さんからの印象は大幅アップ、良好な関係になれるだけではなく、いろいろと便宜を図ってくれたりもするようになるのである。
どういうことかというと、大家さん(管理業者)はいつも、「ちゃんと家賃を払ってくれるかなぁ」「滞納されたら、催促するのも追い出すのも面倒だなぁ」と思っている。
そんなときに借り主が3カ月分をポーンと払ってくれたりすると、少なくとも多めに払った2カ月間、大家さんはその心配から解放されるのである。
これを毎回つづけると、「この人は私を安心させてくれる人だ」「滞納の心配もなさそうだ」ということになり、たまに家賃の支払い日を忘れたときなども、かなり寛容に待っていてくれるようになるのである。
私の場合、大家さんから「いつも多く払ってくれてありがとう」ということで、食べ物やらビールやらをもらったりした。
よく考えれば「多く」払ったわけではなく「早く」払っただけなのだが、この効果が大きいことをつくづく実感した。
ちなみに、3カ月分の家賃を1回で払うと、銀行への振り込み手数料も3回分から1回分に減るので、これだけでもけっこうな節約になったりするのである。
在庫だらけなのに資金がショートしない理由だいぶまわり道をしたが、話を自然食品店に戻そう。
どうして膨大な在庫を抱えている自然食晶の店が2軒ともやっていけているのだろうか?在庫コストがかかり過ぎているはずなのだ。
資金ショートの危険性もあるだろう。
しかし、その謎は、お店のことを調べてみてすぐに解決した。
実は、これらのお店は2軒ともネットでの宅配がメインだったのだ。
そして、実際の店舗のほうは、在庫置き場をせっかくだからとお店にしただけのものだったのだ。
ネットなら、商品の種類は普通のお店などよりも多くなければ特徴を出せない。
だから、ありとあらゆる商品がうずたかく積まれていたのである。
人件費や場所代といった在庫コストも、倉庫などを借りて運営するよりはるかに安上がりで合理的だったのだ。
さて、この自然食品のお店は在庫をうまく活用することができていたわけだが、どの商売でも少なからず、在庫を減らそうと躍起になっている。
たとえば、デパートなどでは衣料品のバーゲンセールが年がら年中行われている。
これはどうしてかというと、安くしてお客さんをたくさん集めたいというよりも、なにがなんでもシーズン中に商品を売り尽くしておきたいからである。
では、なぜバーゲンの対象として衣料品が多いかというと、ファッションはめまぐるしく流行が変わり、時代遅れになる危険性が非常に高いからである。
家電製品のバまた、虫食いなどでモノそのものが傷んでしまう可能性も極めて高く、衣料品という商品は、総じて在庫コストがかかる。
移転や改装にともなう在庫一掃セールというのも、基本的に衣料品のバーゲンと同じ考えだ。
商品を新しいお店に移動する引っ越し費用がかかるから、なるべくその前に売っておきたいというわけなのである。
このように、世の中の会社は常に在庫コストを意識して商売を行っている。
サプライチェーン・マネジメントという言葉があるが、これは、モノの製造元から、卸売業や流通業、そして小売業にいたるまで、それぞれが協力し合って在庫をなくしていこうという考え方だ。
たとえば、商品の単品管理を行って、その販売状況をオンラインで即座に製造元にまで流す。
製造元は売れているものだけを作って売れないものは作らなくて済むので、無駄な在庫は増えないというわけだ。
その在庫を減らす究極の形態が、受注生産である。
受注があるということは、その分は確実に売れるということなので、受注がきてから製造に取りかかれば在庫はまったく発生しないことになる。
ただ、受注生産には、商品がすぐにはお客さんの手元に届かないというデメリットもある。
そこで、受注生産を行うパソコンのデル・コンピュータなどは、わずか数日でパソコンを作って売ることができる工程を用意して、そのデメリットをできるだけなくそうとしているのである。
こういった考え方はなにもビジネスに限ったことではない。
一般の家庭でも一緒で、使われないモノがあるなら、それには「在庫コスト」がかかっているはずだ。
先の例でいえば、もう二度と着るはずもないダブルのスーツを在庫としてずっと所有していたがために、クローゼットにカビが生えて、よく着る衣服までもダメにしてしまう危険性があった。
実際に私の場合、ダブルのスーツのとなりにかけてあった喪服までカビにやられてしまったのだ。
喪服は絶対に必要だから、新しく購入するコストがかかる。
他にも、「いつか使うかも」系のモノはだいたい無駄になりがちであり、その分スペースを取ったり(場所代)、整理や処分の手間(人件費)がかかったりしてしまう。
模様替えや引っ越しをするときも、モノが多くてはたいへんだ。
だから、「損をしないために在庫を減らす」という考え方は家庭でも見習うべきだ。
本や雑誌にしろ、衣服にしろ、日用のちょっとした備品にしろ、在庫にはコストがかかると考えるようにしないと、すぐにモノはたまりにたまってしまう。
たまってしまってから考えても遅い。
台所の冷蔵庫を開けたら、数カ月前に買って以来一度しか使っていないマヨネーズとか、まとめ買いしたタマネギとかが、あふれんばかりに詰まっているという人も多いのではないだろうか。
これでは、無駄に腐らせて他の食品もダメにしてしまうこともありえるし、なにしろ余計に電気代がかかる。
私の妻ではないが、使わないものはさっさと捨ててしまったほうがいい。
なかなかすぐには習慣づけられないと思うが、たとえば、「1週間使わなかったら捨てる」「1カ月読まなかったら捨てる」など、なにかしらの期限を設けると、すんなり捨てられるようになるはずだ。
賞味期限がある食料品だけではなく、製造業の現場でも、「6カ月間使わなかった材料は滞留在庫置き場に移動させる」「1年間使わなかった材料は廃棄処分にする」といった決め事がちゃんとあるのである。
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